こんにちは。
本日の記事では、ゼロダテアートセンターにて開催中の「根田穂美子 個展」の展覧会レポートをお送りします。
根田さんは大館市在住、洋画家として国内外で作品を発表しています。多数の受賞歴を持ち、2012年には「大館市芸術文化特別功労賞」を受賞。今春は大館郷土博物館(釈迦内)にて、個展を開催したのも記憶に新しいです。
ゼロダテアートセンターを企画運営するアートNPOゼロダテには、団体の活動開始初期から関わり、作品発表など様ざまな形で活動を継続しています。
今回の展示作品について、先ず根田さんは「写実」という言葉を用い、解説を始めました。一口に「写実」と言っても、様ざまな作風があります。根田さんは自身が学生時代に描いた静物画を前に、自分なりの「写実」について話しました。「やわらかい陽射しを感じながら描いた」と根田さんが話す静物画には、花や果物、瓶が淡い色彩で描かれています。
その静物画と隣り合う壁に並ぶのは、打って変わった印象を与える抽象画≪内なるカオス≫です。この作品は、どのような表現で自分/自分の想いを創り上げるか、迷いのなかで制作されたそうです。力強い筆触は、勢いをもって画面から浮き上がるような立体感を与えます。
2011年の東日本大震災後の後に制作されたという二作≪どこまでも繋がって…願い≫≪どこまでも繋がって…想い≫についてもお話しを伺いました。根田さんは「絵はただ描くものではなく、人とのつながりを模索するもの」と言います。「想い」と「願い」、それぞれが題された二作のあいだには、震災後に根田さん自身が感じ取ったこと――時が経つとともに強まっていく人と人のつながりと、ひとりひとりが自己を確立していく、その変化が表現されています。
≪H.Kの法則≫という作品にも、根田さんの想いが強く込められていることがうかがえました。グリッドに仕切られたような1つ1つのモチーフは異なるディテールを持ち、画中のどこを切り取っても成り立つように表現されています。
確固たる自己をもった人びと、各々が力強く前へと踏み出すように――あたたかな光が射し込むギャラリーにて、根田さんの作品世界を楽しんでみてはいかがでしょうか?
スタッフ S
根田穂美子 個展
会 期 6月11日(土)- 7月31日(日)
時 間 11:00~18:00
会 場 ゼロダテアートセンター
定休日 月・火
※不定休となりますので、ご来場の際は事前にお問い合わせください。
入場無料
☆ゼロダテアートセンターのオープン日には、秋田犬ののちゃんにも会えます!
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