平成29年2月14日、今年も「十二所かまくらやき」が行われました。
菅江真澄の随筆『すすきの出湯(透酒企乃温涛)』に記録が残る十二所の「かまくらやく」。
平成23年に地元有志により復活し、現在は「十二所かまくらやき」として住民に親しまれている行事です。
1802年の暮れからこの地方に長く滞在した真澄は、正月の行事から春の節句に至るまで記述を残し、当時の様子を今の私たちに伝えます。
秋の木の葉を集めて俵に詰め、火をかけて振れば、雪の上に紅葉(もみじ)が降ったようで、火花を春風に散らす様は風情がある。
神聖なものの現れとしての火。人びとは家内安全や繁栄、一年の無事を祈願しました。
周りからは歓声が上がり、それに共鳴するように炎は音を立てて燃え盛ります。
甘酒や豚汁など地域の方のおふるまいの様子を見ていると、真澄もまた十二所の民にあたたかくもてなされたのだろうと想像が膨らんできました。
一晩経った今でも、まつりごとの余韻とともに炎の軌跡がよみがえってきます。
スタッフ S