『忠犬ハチ公物語』千葉雄

今日の記事では大館市観光案内所・物産コーナーにて販売中の書籍を一冊紹介したいと思います。

忠犬ハチ公物語  ―ハチ公はほんとうに忠犬だった―

千葉雄


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こちらは北秋田郡扇田町(現大館市比内町扇田)に生まれた千葉雄さんが、ハチの生涯と彼が「忠犬」と呼ばれるに至った経緯、ハチ公をモチーフとした銅像の変遷について記した一冊です。

著書冒頭には、大館の先人・村木清一郎(文学研究者・歌人)の歌が引かれています。

幾仙人 ひとは来れども 一人だに わがあるじには 似ても来なくに

この歌は「駅前のハチ公」と題して詠まれたものです。
ハチ公が見つめる先には、駅舎を行き交う人びと。群衆のなかにあるじの面影を探してみるものの、自分が忠誠を誓ったひとは今日も来ない。直接的な感情表現というよりも、ハチが毎夜抱いたであろう心情を率直に描いています。

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ハチの存在が世に知られるようになったのは、朝日新聞の記事が発端でした。「いとしや老犬物語」と題された記事をきっかけに、銅像建立のための募金活動が起こり、児童向けの「忠犬ハチ公」の唱歌まで作られます。
当時を知る人も少なくなる中、千葉さんは件の唱歌の楽譜(複製品)を手に入れ、この『忠犬ハチ公物語』に歌の来歴や詳細を記しています。

同様に渋谷と大館の駅前に立つハチ公像に関しても、それぞれどのようないきさつで制作されたのかが書かれています。またこの本では、山形県鶴岡市にあるハチ公像や、大館市の秋田犬会館にある像まで、必然と言っても過言ではない数奇な運命を知ることが出来ます。

ハチと、ハチを愛した人々が生んだ「忠犬ハチ公物語」の“歴史”を、千葉さんは客観的でありつつもあたたかい眼差しをもって記述しています。

さて、千葉さんが紹介した唱歌「忠犬ハチ公」より一番の歌詞(作:小野進)をご紹介し、本記事の結びとさせていただきます。

逝きしあるじと
知らずて待ちし
尊き心
銅像にぞのこる
学べや人々
その魂を

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スタッフ S

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