♪~♪・・・・・・ 秋田名物八森ハタハタ男鹿で男鹿ブリコ能代春慶檜山納豆大館曲げわっぱ ~
皆さん一度は耳にされた事があるのではないでしょうか。
秋田音頭で謡われているこの「大館曲げわっぱ」大館を代表する工芸です。
はじまり
きこりが杉柾で曲物の容器を作ったのが始まりと言われています。
藩政時代(17世紀)、大館城主佐竹西家のもと家中は生活が窮乏していました。
そこで、打開策として領内の豊富な天然秋田杉に着目した城主佐竹西家が武士の内職として奨励したといわれています。
現在の大館市常盤木町のあたりは「お足軽町」といわれ、足軽が住んでいたところですが 「曲げ物」の職人が100人以上いたといわれています。
製品は酒田・新潟・関東などへ運ばれ江戸末期から近代にかけて職人たちが技法を受け継いできました。
現在では、本物の良さ、自然志向などにより多くの皆様に愛用されています。
天然秋田杉は、木曽のヒノキ、青森のヒバと共に日本三大美林の一つに数えられています大館市を流れている米代川流域の山々は、雨量が多く土壌条件も適しているので、秋田杉の成長には最適で良質の秋田杉が成長します。
シンプルな自然素材、秋田杉
木目に真っ直ぐで、弾力性に富み、軽く美しい木目と鮮紅色または淡黄色が特徴で、樹齢200年前後の天然秋田杉を薄く柾目取りし(剥いで)、煮沸して柔らかくなったところで曲げ輪を作り、山桜で縫いとめます。
こうして大館曲げわっぱが出来上がります。
明るく美しい木肌と整った木目、優しくシンプルな自然素材の製品の優秀さは国内にはもちろん海外でも広く知られています。
そして、「大館曲げわっぱ」のおひつや弁当箱に至っては、天然秋田杉の香りと杉の殺菌効果。そして、ご飯の水分を程よく吸収し、もちもちとした冷めても本当に美味しいご飯が食べられます。
昭和55年には全国に15ある曲げ物のなかで唯一国の伝統的工芸品として指定を受けました。
原木から製品が完成するまでは、数十種の工程を経るので最低でも1年以上はかかり、板材にした後天然乾燥だけでも半年はかかります。
製法
製法としては、
① 天然秋田杉を手割り、または製材により薄く剥ぐ
② 煮沸(熱湯につけます)
③ 板が柔らかくなったところで取り上げ、曲げ加工
④ 自然乾燥
⑤ 接着
⑥ 桜皮とじ
⑦ 底入れ
⑧ 仕上げ、となっています。
伝統的工芸品とは
伝統工芸品は、その主要工程が手作りであり、高度の伝統的技術によるものであるため、その習得には長い年月が必要とされます。生活様式の変化に伴い、伝統的工芸品の需要が低迷していることなどにより後継者の確保育成が難しく、業界全体の大きな課題となっています。
この課題に対処するため(財)伝統的工芸品産業振興協会では「伝統的工芸品産業の振興に関する法律」第24条第8号の規定により本事業を実施し、試験に合格した方に「伝統工芸士」の称号を贈り、その社会的地位を高めることにより、伝統的工芸品産業の振興を図っています。
財)伝統的工芸品産業振興協会 より
◎ 経済産業省の省令にもとづく、「伝統工芸士認定事業」の認定試験を受け、それに合格すると「伝統工芸士」の称号が与えられます
◎ 受験資格は、工芸品等の製造に従事して実務経験が12年以上の方です
◎ 実技試験と知識試験があります
◎ 実技試験は、課題作品と自由作品を作ります
◎ 学科は、一般知識と工芸品の技術、技法、材料、歴史等の専門科目があります